目次

  1. ハゲと皮脂の関係に迫る
  2. そもそも皮脂とは?
  3. 「脂ギトギトの人はハゲる説」が成り立つ2ケース
  4. 「脂ギトギトな人はハゲる説」が成立しないケース
  5. 皮脂で毛穴が詰まってハゲるのは誤解!
  6. 皮脂=薄毛という情報が広まった理由
  7. 一筋縄ではいかない、脂とハゲとの関係
  8. 誤った情報に惑わされないように気をつけてください!

髪の毛をベトベトさせる皮脂。

「皮脂が多いとハゲる」という説を信じ、薄毛にならないよう毎日シャンプーでゴシゴシ洗っている方も少なくないと思います。

しかし、「皮脂=脱毛」という公式は必ずしも成立するわけではありません。

「じゃあ、皮脂は髪の毛に良い効果をもたらすの?」と思う方もいるかもしれませんが、そういうわけでもないのです。

皮脂とハゲの関係は複雑です。

今回は、「皮脂が多いとハゲる説」の真実、そして皮脂とハゲの関係性について解説していきます

まずはそもそも皮脂とはどのようなものなのか?について見ていきましょう。

ハゲと皮脂の関係は?
ハゲと皮脂の関係は?

ハゲと皮脂にはどのような関係性があるのでしょうか。

皮脂(ひし)とは、皮膚の下にある脂質(ししつ)が、皮脂腺(ひしせん)という管を通って皮膚の表面に出てきたものです。

脂質は「あぶら」であり、皮脂もあぶらです。

皮膚の表面に広がっている皮脂は、空気中の汚れを吸着しており、これが髪の毛や頭皮の汚れになります。

とはいえ、汚れがつくから皮脂なんてないほうが良い、というわけでもありません。

皮脂は、紫外線から肌を守るバリアの役割を果たしたり、頭皮を乾燥から守っているのです。

この皮脂が原因で薄毛になってしまうなんて、あるのでしょうか?

結論から言うと、「脂ギトギトの人はハゲる」は充分にありえます。

主に、以下の2つのケースが該当します。

  • ①ハゲの原因にもなる男性ホルモンが多い場合
  • ②脂漏性脱毛症の場合

順番に解説しましょう。

①ハゲの原因にもなる男性ホルモンが多い場合

多くの薄毛男性を悩ませるAGA(男性型脱毛症)が起きるメカニズムには、男性ホルモンが関与しています。

男性ホルモンが多い人のほうが、そうでない人と比べるとAGAを発症するリスクが高いのです。(注1)

そしてこの男性ホルモンは、皮脂の分泌も促します。

つまり、皮脂がハゲを引き起こしているのではなく、「男性ホルモンがハゲと皮脂の大量分泌の両方の原因になっている」のです。

まとめると、このようになります。

  • ×:皮脂→ハゲ
  • ○:皮脂←男性ホルモン→ハゲ

注1:男性ホルモンが多いからといって、薄毛になるわけではありません。男性ホルモンは唯一の薄毛の原因ではなく、あくまでも複数あるリスクのうちの一つです。

②脂漏性脱毛症の場合

脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)という脱毛症の場合も、「脂ギトギトの人はハゲる説」が成立します。

脂漏性脱毛症は、脂漏という状態によって脱毛が引き起こされる症状です。

脂漏とは、皮脂が過剰に出ている状態のこと。

過剰な皮脂はやがてフケになり、フケは細菌やダニの繁殖を促します。

それらが毛根にダメージを与え、脱毛につながるのです。

つまり、こういうことです。 - ○:皮脂→過剰に分泌→フケ→細菌が繁殖→ハゲ

フケによる細菌の繁殖がハゲの原因に
フケによる細菌の繁殖がハゲの原因に

皮脂そのものがハゲの原因になるわけではありません。

しかし、脂ギトギトの人の中にもハゲていない人はいます。どうしてでしょうか?

これは皮脂を出す原因が、ハゲを引き起こす原因にならないためです。

例えば、思春期の頃は皮脂が出やすい体質になっています。

しかし、脂漏という状態にはいたらず、毎日のケアでしっかりと皮脂を洗い流すことはできます。

また、もともと脂っぽい人であってもしっかりとケアすることによって、薄毛を招く原因にいたることはありません。

ただ、皮脂が人よりも分泌する状態の場合、毎日のシャンプーでしっかり洗い流さないことには、脂漏性脱毛症を招く恐れもあります。

大丈夫だろうと思って毎日のケアに手を抜いてしまうことがないよう、注意が必要です。

皮脂が毛穴に詰まってしまい、それがハゲの原因になっている」といった説を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

髪の毛穴に異物である皮脂が入ってくるので、髪の毛が抜ける。

これはメカニズムとしては何となく理にかなっているように感じますが、実は誤解です。

ずばり、皮脂そのものがハゲの直接の引き金になるケースはありません。

実際に、「皮脂=脱毛の直接の原因」という説を、明確に否定している病院もあります。

山口県の周南病院は、患者様向けのチラシの中で、

確かに男性ホルモンが増加すると、頭皮の皮脂の分泌量は増えます。ただAGAも男性ホルモンが原因ですが、皮脂の量と抜け毛に直接の関係はありません

出典: 周南病院だより

と述べています。

では、なぜ『皮脂=薄毛の原因』といった誤った情報が広まってしまったのでしょうか?

1つ考えられるのは、皮脂が多い人=脂っぽい人(男性ホルモンが多い人)にハゲの人が多いというイメージからです。

2つの現象の間に関係性があるのではないかと疑った人が、ハゲている人の毛穴にびっしり皮脂が詰まっているところを見たら…。

「この皮脂がハゲを引き起こしている」と考えてしまうのも自然なことでしょう。

皮脂=薄毛ではない
皮脂=薄毛ではない

誤解しないようにしましょう。

皮脂がハゲの直接の原因でないにしても、過剰な皮脂が髪の毛に良くないことは事実です。

先述の通り、皮脂を放っておいてしまうと、最悪の場合『脂漏性脱毛症』を招く恐れもあるのです。

ですので、頭皮がべたついてもハゲないんだ…とホッとするのではなく、皮脂の洗浄はしっかりと行うようにしましょう。

ただ、皮脂は皮膚のバリアですので、髪の毛の「地面」である頭皮も皮脂によって守られていることを忘れてはいけません。

そのため、皮脂を完全になくしてしまうケアは逆効果なのです。

つまり、皮脂は洗いすぎても、残しすぎても良くないのが難しいところ。頭皮にとって適切な量を残すことが大切なんですね。

ヘアラボでは、シャンプーの選び方から洗髪方法までを解説している記事があります。

実践することで頭皮の皮脂量を適切に保つことができる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

いかがでしたでしょうか?

ハゲや脱毛にまつわる「説」は多く、中にはフェイク(嘘)情報も少なくありません。

皮脂そのものがハゲる原因と思われがちですが、皮脂そのものがハゲを招くわけではないのです。

確かな情報だけを集めて、薄毛・ハゲ対策に取り組んでくださいね。

本記事が皆様のお役に立てば幸いです。

参考文献
[1] 髙橋栄里 , 髪がみるみる蘇る習慣 , (宝島社、2016)