目次

  1. 円形脱毛症が頭に複数ある…原因や対策はあるの?
  2. 頭に複数の脱毛が起きる原因は<多発型円形脱毛症>
  3. 複数脱毛が起きる多発型円形脱毛症の原因とは?
  4. 多発型円形脱毛症はアトピー・自己免疫疾患と併発も多い
  5. 多発型円形脱毛症の効果的な対策
  6. 複数できてしまった円形脱毛症、一度は必ず病院へ

頭にポコポコと穴が空いたように、いくつもはげができてしまった…。

これは、円形脱毛症、その中でも、多発型と呼ばれる症状です。

円形脱毛症は、俗に10円はげとも呼ばれるような、コイン型の脱毛部が一つできる症状が8割を占める病気です。
しかし、このコイン型の脱毛がいくつもできてしまう、というのが多発型の特徴です。

いくつも脱毛部分があると、男性はもちろん、女性は髪の毛のアレンジもしにくくなり、とても辛いものです。

今回は、複数出来てしまう円形脱毛症の一種である、多発型円形脱毛症の原因と対策方法についてまとめてみました。

頭にたくさんの脱毛が起こってしまう円形脱毛症は、多発型円形脱毛症と呼ばれます。

そもそも、多発型円形脱毛症とはどのような病気なのでしょう?

円形脱毛症には、5つの種類があります。

  • 通常型・単発型:頭に1つか2つはげができるもの

  • 通常型・多発型:複数のはげができるもの

  • 全頭脱毛:髪の毛がすべて抜けてしまうもの

  • 汎発性(はんぱつせい)脱毛:全身の毛が抜けてしまうもの

  • 蛇行(だこう)型脱毛:髪の生え際などが抜けていくもの

この中で、円形脱毛症が複数できてしまうのは、この中の、【通常型・多発型】と呼ばれる多発型円形脱毛症だけです。

男性、女性問わず、多発型円形脱毛症は、小さなハゲが頭部に複数できてしまうものです。

円形の脱毛同士が繋がることもあります。

どこにハゲができてしまうかは人によって違い法則性などはありません。

多発型を含む円形脱毛症は、以前までは『ストレスが原因となって発症する』と言われていました。

みなさまも、「円形脱毛症はストレスが原因だよね」なんて話を、一度は聞いたことがあるかもしれません。

しかし現在では、円形脱毛症の原因はストレスとはほとんど関係ないと言われています。

自己免疫疾患

ストレスが円形脱毛症の原因だと思われていたのは昔のことで、現在、円形脱毛症は、「自分の免疫が、自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患と呼ばれる病群の一つ」だと認識されています。

『標準医療情報センター』のサイトでは、下記のように書かれています。

円形脱毛症で毛が抜けてしまう仕組みは、自己免疫病の1つとして説明されます。
病的毛がある脱毛病巣では、成長期毛根の毛母や毛乳頭の中、その周囲に多数のリンパ球が集まって、毛根を攻撃しています。
リンパ球は、通常、免疫、つまり体を守る働きを果たすものですが、それが自己の体の一部である毛根を攻撃してしまいます。
そのため、成長期毛根はダメージを受け、切れやすい病的な毛しか作れず、さらに毛を作れなくなり脱毛します。

出典: 脱毛症│標準医療情報センター

つまり、円形脱毛症は、自分自身の免疫が、自分の毛根を攻撃することによって起こってしまう病だとわかって来ているのです。

『ストレスが原因』

という考え方は、昔から現在でもメジャーなものですが、実はストレスが原因ではなく、自分自身の免疫が原因だった、というのは驚きですね。

遺伝

円形脱毛症は、遺伝の関連が指摘されています。

下記の医師らがまとめた書籍、サイトでも、円形脱毛症と遺伝について言及されています。

円形脱毛症の患者の患者の3~40%程度に遺伝性があり、一卵性双生児では55%に双方とも発症する。

出典: 毛の悩みに応える皮膚科診療

患者さんの2割程度に家族内発生、つまり血縁の家族にも円形脱毛症があります。円形脱毛症は人間では一定割合で必ずなる人がいて、また、なりやすい素質が遺伝しているようです。

出典: 脱毛症 Q7 - 皮膚科Q&A(日本皮膚科学会)

上記のように、血縁や双子で円形脱毛症の発症には関連性があり、円形脱毛症の発症には、遺伝の部分も少なからずあると考えられています。

また、発症についても、一つの因子だけで発症が決まるのではなく、複数の遺伝子の働きによって発症するのではないかと推察されています。

円形脱毛症はアトピーも併発しやすい
円形脱毛症はアトピーも併発しやすい

円形脱毛症の方は、アトピー性皮膚炎も患っていることが多いことでも知られています。

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、「アトピー素因」と呼ばれるものを持っています。

「アトピー素因」についての日本皮膚科学会の定義は、

1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれ、あるいは複数の疾患)
または 
2)IgE抗体を産生し易い素因。

出典: アトピー性皮膚炎 Q3 - 皮膚科Q&A

と定義づけられており、円形脱毛症にかかっている40%以上の患者さんが、この「アトピー素因」を持っているとも言われています。

また、円形脱毛症は、それ自体が自己免疫疾患でもあるのですが、他の自己免疫疾患である、

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 甲状腺疾患
  • 橋本病
  • バセドウ病
  • 尋常性白斑
  • ほか、膠原病など

を併発していることが多く見られます。 円形脱毛症自体に発症の男女差はありませんが、ここに紹介したような自己免疫疾患の多くは、女性の方が発症しやすいことでも知られています。(参照1)

憶測の域を出ませんが、円形脱毛症も自己免疫疾患であることが何かしら関連しているのかもしれません。


参照1:2002年、第 3 回博多リウマチセミナー

多発型円形脱毛症、実は、他の円形脱毛症に比べて治りにくいことも指摘されています。

多発型円形脱毛症になってしまったらどのように対処したらいいのか、ここからは対処法を解説していきますね。

病院での治療

円形脱毛症は病院に行くことで、いくつかの対処療法を行うことができます。

自分で円形脱毛症だと思っていても、甲状腺機能低下症などの、実はまったく違う病気だったなんて可能性もあるかもしれません。

何が原因で脱毛が起きているのか確定させるという意味でも、一度病院で診てもらうことをおすすめします。

また、円形脱毛症は、面積が広くなってしまってから治療した場合、治りにくくなることがわかっています。

適切な治療で対策をしましょう。

ウィッグ(カツラ)の着用

円形脱毛症になってしまったら、病院へ行くことは大前提です。

しかし、病院へ行く以外での対処でおすすめできるのが、ウィッグ(カツラ)の着用です。

複数の脱毛が起きる多発性円形脱毛症の場合、治療が長引くことも多くあります。

闘病中、ウィッグを着用することで、患者さんのQOL(注1)が有意に高まることが判明しています。

円形脱毛症において、いつ治る、という明確な指針が見えないとき、髪の毛を失ってしまった患者さんは不安になったり、悲しい気持ちになることもあります。 また、外見を気にして、外出を控える方も多いようです。

そんな時、ウィッグを着用することは、単になくなってしまった髪の毛をあるように見せる、というだけではなく、こうした患者さんの心に明るい光を与えてくれるものでもあるのです。


注1:1Quality Of Lifeの略。生活の質などと日本語訳される。精神的な充実、社会活動などを含めた総合的な生活の満足度をさします。


今回は、円形脱毛症が複数出来てしまう原因と対策方法についてご紹介致しました。

あなたが円形脱毛症になってしまったなら、ぜひ早めに皮膚科を受診してみてください。

円形脱毛症での抜け毛に悩む人が、一人でも減ることを願っています。