目次

  1. トリートメントの良し悪しを、成分で見分けたい…!
  2. 【概説】トリートメントはこういった成分から成る
  3. 人気トリートメントの成分解説①パンテーン「エクストラダメージケア」
  4. 人気トリートメントの成分解説②ロレッタ「ベースケアオイル」
  5. 人気トリートメントの成分解説③ルベル「イオ エッセンス スリーク」
  6. トリートメント選びの際は「成分」という観点を!

売り場に並ぶ、おびただしい種類のトリートメント。

「しっとり・うるおい」「ふわっとエアリー」など、モデルを起用したPOPが並んでいますが、多くの消費者は分かっています。実際どうなるかなんて、使ってみないとわからない…

でも、成分を読むことができれば、どうでしょう?

成分で製品の良し悪しが判断できたら、間違えのないトリートメント選びができそうですよね。

そこでこの記事では、およそトリートメントはどういう成分から成るのかどういった成分にどういう効果が期待できるのか、基本的な考え方を皆さまに伝授したいと思います。

この記事を読めば、今後、売り場でトリートメントを選ぶとき、注目するポイントが全然ちがってくるはず!

まずは、およそトリートメントはどういう成分から成るか、その概説から始めましょう。

トリートメントのパッケージの「成分一覧」を見ると、実にたくさんの成分名が記載されています。

とっかかりとして、まずはトリートメントの成分を、次の3つのカテゴリーに分けてみたいと思います。

  • ⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分
  • ⑵髪を内側から補修する成分
  • ⑶それ以外の成分

このうち、特に重視したいのが、⑵の補修成分

もちろん⑴の見た目・触り心地をUPする効果も、多くの人がトリートメントに期待するところでしょう。

ただ、サラサラ感・ツヤ感を出し、手ざわり・指どおりを良くする…という効果なら、リンス・コンディショナーでも得られます(注1)

真に「トリートメントならでは」の効果といえるのは、むしろ補修効果

トリートメントを選ぶときには、なるべくなら⑵の補修成分に富んだものを選びたいところです。

注1:トリートメントとリンス/コンディショナーの違いについてはヘアラボの関連記事をご覧ください。

以上の基礎を踏まえて、ここからは応用編。

2018年5月8日現在、Amazonの売れ筋ランキング(ヘアトリートメント部門)の上位3商品は次のようになっています。

  • パンテーン「エクストラダメージケア」
  • ロレッタ「ベースケアオイル」
  • ルベル「イオ エッセンス スリーク」

この3商品について、成分を詳しく見ていきましょう。

※価格はいずれも2018年5月時点のものです。
なお、各成分の効果・作用は、化粧品成分オンラインならびに『化粧品成分ガイド』(宇山光男/久光一誠/岡部美代治 編著、2009年)を参照しています。

Amazonのランキングで長らく一位を保っているのが、パンテーンの「エクストラダメージケア」

シャンプーやコンディショナーも含めて、パンテーンの金ぴかシリーズが、ドラッグストアの棚を占拠しているのもよく見かけます。

一番人気のトリートメントの成分は、どうなっているでしょうか。パッケージを裏返してみましょう。

水、シリコーンクオタニウム-26、ステアリルアルコール、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セタノール、イソプロパノール、香料、ベンジルアルコール、EDTA-2Na、ヒスチジン、クエン酸、パンテノール、パンテニルエチル、硝酸Mg(キ)、黄4、メチルクロロイソチアゾリノン、塩化Mg(キ)、メチルイソチアゾリノン、赤227、青1

出典: Amazon

ざっと20ばかり成分が記されています。これを先ほどのやり方で分類してみましょう。

  • ⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分
    シリコーンクオタニウム-26、ベヘントリモニウムメトサルフェートなど
  • ⑵髪を内側から補修する成分
    ヒスチジン、パンテノールなど
  • ⑶それ以外の成分
    水,ステアリルアルコール、セタノール、イソプロパノール、香料、ベンジルアルコール、EDTA-2Naなど

トリートメントをトリートメントたらしめているのは⑵補修成分だ、と先に述べました。

⑵に分類したヒスチジン(アミノ酸の一種)には保湿効果があり、パンテノール(パンテーンというブランド名の由来でもある)には毛髪の成長に促進的に働く効果があるのですが…

ちょっと注意していただきたいのが、その表示順

化粧品の成分表示には、法的な「約束事」があります。

  • すべての成分を表示する
    (ただし、配合率は明示しなくてよい)
  • 配合率の高い順に記載する
    (ただし、配合率が1%以下のものは順不同でよい)

原則として全成分が配合率順に記載されているはずのところ、補修成分・ヒスチジンは「10番目」、パンテノールは「12番目」と、かなり後ろのほうに記載されています。

「だから補修効果が低い」とも断言できないのですが、おそらく配合率はそれほど高くなく、効果に期待しすぎることも控えたほうが良さそう…とは言えそうです。

もっとも、口コミを見ると「さらさらになった」「しっとりする」との声は多数挙がっており、少なくとも⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分は、しっかり効いているようです。

可愛いパッケージとローズの香りで女子に人気の、ロレッタのベースケアオイル

こちら、いわゆる「洗い流さない」トリートメントです。アウトバス(out bath=浴室の外で使う)トリートメントとも呼ばれますね。

ドライヤーの熱や摩擦からの保護、パサつき防止などを目的としたアイテムですが…成分はどうなっているでしょうか?

シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、パルミチン酸エチルヘキシル、安息香酸アルキル(C12-15)、ダマスクバラ花油、香料

出典: Amazon

全6成分と、シンプルな構成です。さっそく分類してみましょう。

  • ⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分
    シクロペンタシロキサン、ジメチコノール
  • ⑵髪を内側から補修する成分
    パルミチン酸エチルヘキシル、安息香酸アルキル(C12-15)
  • ⑶それ以外の成分
    ダマスクバラ花油、香料

⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分には、上位の(つまり、配合率の高い)2成分が該当します。
この2成分は、一般にシリコンと呼ばれる、しっとりした見た目・サラサラな指どおりを実現する成分。

「ノンシリコン」のシャンプーが流行ですが、トリートメントの場合、そもそも見た目や指どおりへの効果を期待されているものですので、たいていシリコンが含まれています。

ノンシリコンシャンプーの過熱した宣伝もあり、「シリコン=髪・皮膚に悪い」というイメージが流布していますが…
実際のところ、シリコンが毛髪や皮膚に悪影響を与える可能性は高くはありません。(注2)

⑵髪を内側から補修する成分に分類した2成分(パルミチン酸エチルヘキシルと安息香酸アルキル(C12-15))は、いわゆるエモリエント成分

エモリエント(Emollient=軟化させる、柔軟にする)とは、水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保ち、肌や髪をやわらかくする効果のことです。

そもそも「髪が傷む」とは、熱や摩擦、紫外線などにより髪の外皮(キューティクル)が損傷し、内部にある水や油分が流出してしまうこと。

エモリエント成分は、傷んだ外皮にかわり、髪を保湿する働きを担うんですね。これぞトリートメントならではの補修効果と言えるでしょう。

最後に紹介するのは、タカラベルモントのLEBEL(ルベル)ブランドから、「イオ エッセンス スリーク」。こちらも洗い流さないトリートメントです。

サロン専売品のため、売り場ではなかなかお目にかかれない製品。だからこそなのか、Amazonの売れ筋ランキング(トリートメント部門)では上位常連です。

美容院で使ってもらい、気に入ったのでAmazonで購入…という人も多いよう。期待がかかる、その成分をひもといてみましょう。

シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ジメチコン、安息香酸アルキル(C12-15)、ホホバ種子油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、オレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸、アボカド油、シア脂油、ジメチコンクロスポリマー、香料

出典: Amazon

12項目が記されています。例によって分類してみましょう。

  • ⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分
    シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ジメチコンなど
  • ⑵髪を内側から補修する成分
    安息香酸アルキル(C12-15)、ホホバ種子油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、オレイン酸フィトステリルなど
  • ⑶それ以外の成分
    香料など

「⑵髪を内側から補修する成分」に属する成分が、非常に層が厚い、というのが見て取れます。

逆に⑶それ以外の成分、つまり単に製品としての外形を整え使用感を高めるためだけに配合されているものは、ほとんどありません。

⑵補修成分をもう少し詳しく見てみましょう。

  • 安息香酸アルキル(C12-15)
    エモリエント成分(水分の蒸発を防ぐ)
  • ホホバ種子油
    水分の蒸発を防ぐ
  • ラウロイルグルタミン酸ジ
    エモリエント成分
  • オレイン酸フィトステリル
    エモリエント成分

ここには書ききれませんが、より下位に表示されている成分も、保湿効果やエモリエント効果をもつものが目白押し。

メーカーのカタログにあるとおり、「広がりやすい髪」が「なめらか」「やわらか」を実現するにはもってこいの製品であることが、成分からも推測できますね。

以上、トリートメントの成分の見方を、実例に則してご案内してきました。

改めてポイントを整理しましょう。

この記事では、トリートメントの成分を、次の3つのカテゴリーに分けてご説明いたしました。

  • ⑴髪の見た目や指ざわりを良くする成分
  • ⑵髪を内側から補修する成分
  • ⑶それ以外の成分

このうち、トリートメントをトリートメントたらしめているのは⑵の補修成分なんですね。

原則的に化粧品の成分は「全成分が」「配合率順で」記載されているはず…というポイントも踏まえつつ、なるべくなら⑵の成分が充実した製品を選びたいところ。


実際にパッケージの成分表示を読むときは、本記事の作成にあたっても参考にさせていただいた、化粧品成分オンラインというサイトをご活用ください。たいていの成分が網羅されています。

また、著書もある化学者による成分分析サイトかずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやきもおすすめしておきます。
個人のブログですので盲信は禁物ですが、ご興味の方はぜひ。

今後はトリートメントを選ぶ際、ぜひ「成分」という観点を取り入れてみてください!