目次

  1. 金髪にしてみたい40代後半のオッサンが2人いる
  2. 学生の頃の金髪に対する、説明のつかない憧れ
  3. 金髪にすることでモテたい…のか?
  4. 金髪にすることで、どんな変化が起きるだろうか?
  5. 絡まれたりしないの? 服はどうする?
この記事を書いたのは…

 中山 順司
 経営ハッカー編集長、サイクルガジェット編集長

 1971年生まれ。Covenant大学卒業。娘を愛し自転車を愛する四十路の父さん。ヘアラボで編集勉強会実施中。主な著書に『お父さんがキモい理由を説明するね』など。

35歳以上の男性の皆さん、こんにちは。

筆者は47歳なので完全無欠のオッサンです。人生をサッカーに例えれば後半12分くらいでしょうか。そろそろ交代カードを切らないとやばい状況です。カードがあるかどうか知りませんが。

これくらいの年齢になると、「人生の後悔」がたまにふっと脳裏をよぎるんですよね。

なぜあの時こうしなかったのだ…どうしてこんなバカなことをしてしまったのか…。

で、ですね。私の後悔の1つに「金髪にしたことがない」があります。金髪童貞です。

男だったら一度は金髪にしてみたいじゃないですか。べつにバンド活動とかしてなくても、ロックな精神を持ち合わせていなくても、純粋にゴールデンな頭髪に憧れるじゃないですか。

ただ、一度社会人になってしまうと、なかなかね…。人の目もあるし、単純に「いい歳こいて」って気持ちが先に来て、とてもじゃないですけど金髪にする機会はまず訪れません。

そんなこんなでこの年齢になってしまいました。

このままだと金髪童貞のまま死んでしまいそうな気がするので、一念発起して挑戦してみようと思い立ったのです。

ただ、ひとりでやるのは心細いので、ヘアラボ編集部の石川さん(同い年)を巻き込みました。「金髪ヘアー、二人でやれば怖くない」って寸法です。

石川・中山バストアップ

石川(左)&中山(右)。いちおう私服勤務。

やるのは決まったものの、いきなり美容室に行くのは怖い。

それなりに心の準備が必要ですので、2週間の執行猶予期間を設けて心を整えました。で、覚悟が決まった金髪前夜に不安とかドロドロした気持ちを吐き出してみました。

40代後半のオッサンが「若気の至りを取り戻す」べく、人生初の金髪に踏み切ってみるドキュメンタリー。数回にわたってお送りします。

金髪にしたいけど一歩を踏み出せない中年男子(いるのか?)を勇気づけることができれば幸いです。

明日は2人で美容室へ行くという夜。

ヘアラボ編集部にて2人が、金髪にする前の正直な気持ちを互いに語り合いました。

明日、黒髪が金髪に変わる…。

中山
中山

学生時代に金髪への憧れってありませんでした?

石川
石川

ありましたね…髪を染める行為そのものに。

中山
中山

別にワルでもないし、社会とか教師への反逆心とかなかったんでしょう?

石川
石川

ええ。でも、そういうのとは別次元で「金髪カッケ~」的な気持ちはありました。

中山
中山

僕も似たようなかんじで、不良になりたくてもなれない小市民でした。むしろ先生には従順だったし、生徒会委員もやってたくらいだったし。

石川
石川

我々が中高生だった80年代前半~なかばは、なめ猫、リーゼント、スクールウォーズの全盛期で、いわゆる不良が大勢いましたよね。

なめ猫。今見ても衝撃的なかわいさがありますね。
なめ猫。今見ても衝撃的なかわいさがありますね。

©️SATORU TSUDA

中山
中山

ブッカブカの学生服(※筆者の地域では「ボンタン」と呼ばれていた)を履いて他校の生徒と喧嘩したり、教師に暴力を振るうのが社会問題化してたり。

石川
石川

そういうの、私は無縁でしたね。

中山
中山

僕もカスリもしない青春でした。だから髪を染めたことなんて一度もない。

石川
石川

私も染めた経験ゼロ。でも、金髪への憧れってなんなんでしょうね?

高校時代の石川。チャラい、世の中なめてそう。でも金髪ではなかった。

中山
中山

「ROCKでワイルドな生き方としてのアイコン」だったんじゃないですか。自分にできないことをやってのける……そこに痺れる、憧れるぅっ!的な。豪放磊落な生き方なんて自分にはできないと諦めつつも、せめて外見だけは寄せたい…っていう。

石川
石川

小市民のせめてもの足掻きですかね。でも……小心者でおとなしかった我々ですら金髪に憧れていたってことはですよ? 逆説的にいえば生きとし生ける男子はすべて金髪に憧れている、と言い切ってもいいんじゃないかと。

中山
中山

金髪にしたい潜在層は意外に多い説ですか…。その数は確かめようもないですが、やろうと思ってもなかなかできない金髪に我々が代理チャレンジすることで、なんか起きるんじゃないかって気はします。

石川
石川

何が起きるんでしょうね?

中山
中山

それはやってみないとなんとも。予想もしない結果になる気がします。なんとなく。

石川
石川

職場で大丈夫ですか?急に金髪になったら浮くんじゃないですか。

中山
中山

確実に浮きます。でも、お互い編集部っていう比較的クローズドな環境なので許されるんじゃないですか。事前相談したら藪蛇になりそうなので、無断でやります。

石川
石川

身も蓋もないですが、かっこよくなれるんじゃないかと思うんですよ。ストレートに言うと、モテるのかなという期待感はちょっぴりあります。

中山
中山

 正直でいいですね。でも、モテたいんですか?お互い妻子ある身ですよ。

石川
石川

いや、本気で失楽園をしたいわけじゃなくって、内面的というか自己満です。何もかも投げ捨てて身を破滅させようなんて気持ちはサラサラない。

中山
中山

でも、ほんの少しは下心がある…と。

石川
石川

は、はい…。って、中山さんだってあるでしょう?

中山
中山

うっ…恥ずかしながら1ミリくらいは…。

石川
石川

スケベなんだから。

中山
中山

そういうあんたもな(笑)。 えっと、モテ以外では何を期待してます?

石川
石川

僕、高校が男子校だったんです、仮に髪を染めても見せる女子がいなかった、でも当時から変身願望(仮装、コスプレ)はあって、普段と違う自分になりたい欲はあったんですよ。 それが高じて、社会人になってもこんな感じでした。

社会人2年目の石川、当時作っていた攻略本の企画で周囲を巻き込んで仮装したとき。

中山
中山

やっちゃってますね…。変わりたい欲は今もあるんですか?

石川
石川

ありますね。行動には移していないけど、小さな火種のようなものは残ってます。中山さんは学生時代に髪の毛でやんちゃするとか、奇抜な服装をしたことは?

中山
中山

いえ、まったく……。小学生の頃は親父の方針で丸坊主。毎月庭で親父にバリカンでゴリゴリされてました。その反動で中高になったら伸ばしたんですけど、年中ボサボサ頭。染めるのはもちろん、パーマとか整髪料もほぼ無縁だったな…。だから未だに髪の知識が貧弱で、ほんの1ヶ月前に「ツーブロック」という髪型がどんなのかを知ったくらいです。

石川
石川

オッサンって仕事もプライベートも守りに入るじゃないですか、何事も無難で目立たず、新しいことから逃げて昔を懐しむ。

中山
中山

ファッションも同じで、黒とかダークグレーとかネイビーばかり選んで、攻めなくなりますよね。

あー、確かに…

石川
石川

じつは、中山さんから金髪企画を持ちかけられて、ちょっと嬉しかったんです。一人だったら決してやることはなかったけど、二人ならなんかできそうな気がして。

中山
中山

私も一人でやるのは怖いから、石川さんを巻き添えにしただけですけどね(笑)。

中山
中山

金髪にしたら、自分は変わると思います?

石川
石川

思いますね。もっと大胆になれる気がする。

中山
中山

それってつまり、自分は臆病ってことの告白?

石川
石川

まあそうです…。金髪にすることで、価値観や考え方が変わるんじゃないかと期待している自分がいます。

中山
中山

僕も同じで、石橋を叩く派、ひと目を気にして行動に制限をかけるタイプなので、そうありたくはないって願望が根底にある。

石川
石川

分かります。でも、人って外見を変えることで、精神面の変化も起こせるんですかね? 一時的なものでしかないんじゃないすかね。

中山
中山

根っこは変わらないだろうけど、もっと堂々としていられるとか、自信を持って喋ったりできるんじゃないかって、少しでもいいからキッカケがほしいんですよ。

石川
石川

あー、堂々とできたら嬉しい。でもですよ、正直、不安のほうが多いです私。

中山
中山

まあ、それは確かにありますよね。「いい歳こいてなにやってんだ?」っていう近所の知り合いや職場の目を気にしてしまう。

石川
石川

分かる分かる。
でも、知り合いならまだマシなんです。私は根が小心者なんで、一番不安なのは家族の反応です。とくに妻がめちゃくちゃイヤがりそう

中山
中山

そうなんですか? うちはカミングアウトしたら、妻も子供も面白がって「やってみなよ!」って言ってくれましたよ。

石川
石川

うらやましい。うちの妻は学級委員長みたいなキャラで、私が車を運転してて法定速度を守らないと凄く怒る人なんです。
不良っぽい格好なんてすごく嫌がりそう。だからまだ妻に「金髪にする」って言えてない

中山
中山

えぇぇ…。

石川
石川

来週の土日には上の娘の高校の文化祭があるんですけど、妻と娘が嫌がらないか、不安でしょうがないです。

中山
中山

うちも娘の高校の文化祭がちょうど同じタイミングです。
「あ、クリエイティブな仕事をしている人がいる!」って感じになるんじゃないかな?

石川
石川

あー、音楽業界のプロデューサー的な感じに見えたらいいですね。もうポジティブな方向で考えるようにしよう。

石川
石川

もう一つ不安なのが、「街で不良やチンピラ的な人に絡まれるのではないか?」ってことです。

中山
中山

たぶんオッサンに絡んでくる人いないでしょ? 電車でときどき金髪の男性を見かけるけど、ケンカふっかけられてるところ見たことないですよ。

石川
石川

まあそうなんでしょうけど。でも、正直、今からドキドキしてますよ。

中山
中山

我々の高校時代はヤンキーの髪色でしたからね。分かるっちゃ分かります。
僕が気にしてるのは、服ですね。 今持っている服で、金髪に似合うものはないと思う。

石川
石川

ですよね…。本当に先入観だけで言いますけど、金髪の人が着る服って、革ジャンとか、ドクロがプリントされた黒い長袖Tシャツとか。持ってないですよね。
というか、結局何着ても「金髪」というイメージが強くなるんじゃないかと思う。このマンガ見てください。

うたかたダイアログ

©️稲井カオル/花とゆめ・白泉社

石川
石川

これ、2018年の「このマンガがすごい!」女性部門12位に入った『うたかたダイアログ』という作品なんですが、そういう今現在ウケているマンガでも、「金髪の人は何を着てもヤンキーに見える」と言ってるんです。

中山
中山

マンガの言うことをアラフィフのオッサンが真に受ける必要はないと思いますが、金髪になると何を着てもヤンキーに見えるっていうのはよい指摘かもしれません。

石川
石川

金髪にした上で普段のオッサンファッションで生活してみて、果たしてヤンキー、チンピラに見えてしまうのか? 今からドキドキです。

中山
中山

私もドキドキしてます。この歳でこんなにドキドキするとは思いませんでした。

石川
石川

不安というか、未知なるものへの挑戦に対する武者震いというか。
はじめて女の子と合コンする前に感じた気持ちに近い。

中山
中山

合コン、不安だったんですか…あれ、楽しいと思いますけど。
私はもう覚悟を決めました。明日、金髪にするのを楽しみましょう!

石川
石川

はい!

<次号>
いよいよ金髪にすることを決意した二人のオッサン。
しかし、どうすれば髪が金色になるのかも知らない二人は訪れた美容室で、「え、金髪ってそうやるんだ」と様々なカルチャーショックを受けます…。
はたしてどんな金髪になるのか。オッサンでも似合うのか?
次回、「おっさんがブリーチするとプロレスラーみたいに」編をお届けします!