目次

  1. AGA(男性型脱毛症)とは?
  2. AGAになると髪が薄くなる理由
  3. ヘアサイクルが乱れるのは"遺伝"のせい
  4. AGAは適切な治療方法を選びましょう
  5. 【まとめ】AGAの治療は医療機関へ
AGAは、おもに頭頂部や前頭部に起こる薄毛の症状
AGAは、おもに頭頂部や前頭部に起こる薄毛の症状

最初に「AGA(エージーエー)とは何か?」を、しっかり理解しましょう。

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略。Androgenetic=男性の、 Alopecia=脱毛症で、「男性型脱毛症」が日本語の名称になります。

AGAは、おもに頭頂部や前頭部に起こる薄毛の症状で、思春期を過ぎた男性であれば誰にでも発症の可能性があります。

年齢ごとのAGAの割合

AGAは日本人の成人男性の約3割が発症すると言われており、20代の若さでも10%の人が発症しています。

多くの人が抱えている悩みであり、決して「自分だけが薄毛・ハゲになって恥ずかしい」とは思わないでください

AGAは後ほど説明するように、原因も治療方法も分かっており、改善をはかることが可能な症状と言われています。

AGAの診断基準

自分はAGAなのだろうか? クリニックで診てもらうべきなのか? という疑問を持っている人も多いと思います。

あくまで目安になりますが、AGAの基準は、まず耳の上端と頭頂部を線で結び、その線とおでこの端の生え際との距離を測ってみて2cm以下であればAGA、というもの。

気になる人は一度、測ってみてはいかがでしょうか。

AGAとは?

  • AGAは頭頂部や前頭部に起こる薄毛の症状
  • 日本人の成人男性の4人に1人が発症すると言われている
  • 20代でも10%の男性が発症する
  • では、AGAを発症すると髪が薄くなるのは、一体なぜなのでしょうか?

    ここから少し専門用語が飛び交いますので、ポイントの部分だけ理解すれば十分です。

    AGAによって髪が薄くなる理由は、「ヘアサイクル(毛周期)が乱れるため」。

    髪の毛は一生のうち、一定の期間で成長→抜ける→生え変わりを繰り返しています。

    この生え変わりを繰り返すことをヘアサイクル(毛周期)と呼び、3つの期間に分かれます。

    • 成長期:髪の毛が伸び続ける期間
    • 退行期:髪の毛の成長が弱まる期間
    • 休止期:毛が抜け落ち、次に生える毛を待つ期間

    成長期は、毛細血管から送られる栄養を元に、髪が太く長い毛に成長する期間。

    通常は髪の毛全体の約90%が成長期にあります。

    AGAによるヘアサイクルの乱れ

    正常なヘアサイクルではこの成長期が2~6年と言われますが、ヘアサイクルが乱れると、数か月~1年と期間が極端に短くなります。

    すると、成長期の期間が短くなり、髪の毛が十分に太く長く育たない状態のまま、抜け落ちていくことに…。

    この状態が続くと全体の髪の毛が薄くなったり、量が減ったりし、徐々にハゲの状態になっていくのです。

    AGAで髪が薄くなる仕組み

  • 髪の生え変わりをヘアサイクル(毛周期)と呼ぶ
  • 髪が薄くなるのはヘアサイクルが乱れるから
  • ヘアサイクルが乱れると髪の成長期が短くなる
  • ヘアサイクルが乱れる主な原因は遺伝
    ヘアサイクルが乱れる主な原因は遺伝

    では、なぜヘアサイクルの乱れが起きてしまうのでしょうか?

    ずばり、その原因には「遺伝」が大きく関係しています。

    家系に薄毛の人がいれば、ヘアサイクルの乱れが起き、AGAになってしまう可能性があるのです。

    確かに、"薄毛あるある"で耳にする「ストレス」や「生活習慣の乱れ」が髪に悪影響を及ぼすことは事実です。

    しかし、主なAGAの原因は遺伝によるものと言っていいのです。

    次に、遺伝がAGAの発症にどのように関わっているかを、下の図を元に説明していきましょう。

    図が専門用語ばかりなので訳が分からないと思いますが、AGAに関係しているのは「男性ホルモン」であると覚えてください。

    男性ホルモンであるテストステロンは、5αリダクターゼという還元酵素と結合することで、ジヒドロテストステロン(DHT)という別の男性ホルモンを作り出します。

    実は、この「結合しやすさ」が遺伝によって決定するのです。

    その後DHTは、男性ホルモン受容体と結びつくと、TGF-βという脱毛因子に変化。
    このTGF-βが成長期の期間を短くし、髪の毛の成長を抑制します。

    つまり、テストステロンと5αリダクターゼが結合しやすい人は、薄毛になりやすいのです。

    ここまでの説明をまとめて見てみましょう。

    • ⑴男性ホルモン(テストステロン)が5αリダクターゼと結びつく(結びつきやすさは遺伝で決まる)
    • ⑵それによってDHTが生成され、男性ホルモン受容体と結びつく
    • ⑶TGF-βが生まれ、成長期が短くなる(ヘアサイクルが乱れる)
    • ⑷髪の毛の成長が抑制され、成長しきる前に抜け落ちる

    AGAの予防は難しい

    AGAの主な原因が「遺伝」であるなら、まだ薄毛でない人・AGAを発症していない人の予防は可能なのでしょうか?

    残念ながら、遺伝子を変えることはできないので、AGAの原因が遺伝による場合、「予防はできない」ということになります。

    ただし、遺伝するのは「AGAが発症しやすい体質」であって、その体質を持っている人が必ずしもAGAを発症するわけではありません

    つまり、薄毛の家系の人が全員、AGAを発症するわけではないのです。

    また、先述した通り、AGAの原因は、「ストレス」や「生活習慣」も関わってきますので、それらに注意を払うことが大切になります。

    次の章では、AGAになった場合の治療法を紹介しますが、予防方法を知りたい人は、以下の記事を参照してください。

    AGAを発症する原因

  • AGAの主な原因は「遺伝」
  • 家系に薄毛の人がいる場合はAGAになりやすい
  • AGAは男性ホルモンの作用によるもの
  • AGAを治療する場合、まずは自身がAGAなのかを判断するため「薄毛治療を行っている医療機関」を受診しましょう。

    また、AGAの治療法は男性か女性、成人か未成年などの条件で異なります。

    さらには費用や生活スタイルによってできる対策・できない対策がありますので、専門家と相談して治療法を決めましょう。

    今回は、脱毛症の診断や治療に関するガイドラインを出している日本皮膚科学会が「強く勧める」としている、"発毛剤"による治療法を紹介します。

    発毛剤によるAGA治療

    推奨されるAGA治療は発毛剤
    推奨されるAGA治療は発毛剤

    現在、AGAの治療として有効とされているもののうち、比較的安い費用で取り組めるのが「発毛剤(治療薬)」による治療です。

    AGAの原因は男性ホルモンの作用であり、すなわち解決への道は、ホルモンの働きを抑えること、もしくは薄毛の進行を上回るスピードで発毛させることになります。

    発毛剤は世に数多くありますが、日本皮膚科学会が推奨しているのは次の3つです。

    ◎内服薬

    • フィナステリド内服薬
    • デュタステリド内服薬

    ◎外用薬

    • ミノキシジル外用薬

    フィナステリド内服薬

    代表的なフィナステリド錠「プロペシア」
    代表的なフィナステリド錠「プロペシア」

    AGAクリニックや皮膚科で最も多く処方されている発毛剤がフィナステリドを主成分とした「プロペシア」です。

    プロペシアはAGA治療を目的として作られた内服薬で、現在すでに世界60カ国以上で承認されており、日本では2005年から処方され始めました。

    フィナステリドの作用は、「AGAの進行にブレーキをかける」もの。

    ◎フィナステリドの効果

    • フィナステリドは、AGAの原因となる男性ホルモン「DHT」の生成に関わる酵素「5αリダクターゼⅡ」の働きを抑える
    フィナステリドは、テストステロンをDHTに変化させる還元要素の働きを抑える
    フィナステリドは、テストステロンをDHTに変化させる還元要素の働きを抑える

    一方、薬であるがゆえに肝臓や生殖器、性欲への影響が報告されています。副作用の出現率は5%前後です。

    ◎フィナステリドの副作用

    • 肝機能障害
    • 性欲減退
    • 勃起不全など

    また、フィナステリドは成人男性専用の薬です。

    女性や未成年者への安全性が確証されていないことがその理由。
    特に妊娠中・授乳期間中の女性は、胎児や乳児の生殖器官などの正常発育に悪影響を与える可能性があることから、使用が厳禁となっています。

    効果・副作用に関するさらに詳しい情報は、プロペシアの添付文書をご覧ください。

    フィナステリド内服薬の価格は、クリニックによって異なりますが、おおよそ5,000~8,000円前後が目安となります。

    デュタステリド内服薬

    2つ目にご紹介する内服薬「ザガーロ」は、主成分をデュタステリドとする成人男性専用の飲み薬。

    2016年に販売が始まった、比較的新しい発毛薬です。

    ◎デュタステリドの効果

    • 酵素「5αリダクターゼⅠ」および「5αリダクターゼⅡ」の働きを抑えることで男性ホルモンDHTの生成を抑える

    デュタステリドは、先に紹介した「5αリダクターゼⅡ」(前頭部・頭頂部に多く存在)に加え、「5αリダクターゼⅠ」(後頭部・側頭部に存在)の働きも抑制するとされます。

    その意味でザガーロは、いわば「強化版プロペシア」とも呼びうる存在。

    副作用の方もプロペシアと似ています。

    ◎デュタステリドの副作用

    • 性欲減退
    • 勃起不全
    • 頭痛、抑うつ気分など

    しかし、高い効果が期待できるのと裏腹に、副作用の発現する確率もより高くなると言われています。

    より詳しくは、ザガーロの添付文書をご覧ください。

    ザガーロの価格もクリニックによって異なりますが、8,000円前後が目安となります。

    用量・用法や副作用などの観点から、飲み薬の発毛剤は「医療用医薬品」に分類されます。
    購入には、医師の処方せんが必要となりますので、医療機関を受診したうえでお買い求めください。

    ミノキシジル外用薬

    ミノキシジル
    市販で購入できるミノキシジル外用薬「リアップ」シリーズ

    ミノキシジル外用薬は、薄毛治療を行うクリニックで処方してもらう、もしくは、スカルプDのメディカルミノキ5やリアップシリーズのように市販で購入する塗り薬です。

    外用薬は「一般用医薬品」に分類され、市販で購入することができます。

    フィナステリド、デュタステリドが「AGAの進行にブレーキをかける」作用があることに対し、ミノキシジルの役割は「発毛のアクセルを踏む」作用があります。

    ◎ミノキシジルの効果

    • 髪の毛の成長や生成に関係する毛乳頭(もうにゅうとう)細胞に直接働きかけることで、髪の毛の成長を促す。

    ミノキシジルは成人以上の男女(女性は配合濃度1%が上限)が使用できる成分です。
    もともとはアメリカのアップジョン社(現ファイザー社)が開発した、血圧降下剤(血管拡張剤)。

    しかし、この薬で治療している患者の体毛が濃くなったことから、薄毛治療に使われるようになりました。

    また、ミノキシジルは内服薬との併用が可能な成分。
    よって、内服薬でAGAの進行を抑えつつ、外用薬で発毛を促すという二刀流でAGA治療を行う場合があります。

    ただし、効果の一方で、ミノキシジルにも副作用が出る場合があります。

    ◎ミノキシジルの主な副作用

    • 血圧の低下
    • 手足のむくみ
    • 頭痛・めまい
    • 体毛の増加(多毛)など

    より詳しくは、リアップの使用上の注意をご覧ください。

    ミノキシジル外用薬の価格はクリニックや市販で異なりますが、おおよそ7,000円前後が目安となります。

    AGAの治療法まとめ

  • AGAで最も推奨される治療法は「発毛剤」
  • 発毛剤には「飲み薬」と「塗り薬」がある
  • 副作用の可能性についても理解しておく
  • ここまで3つの発毛剤を紹介しましたが、注意していただきたいことが2点あります。

    一つは、発毛剤が効果をあらわしたとしても、ヘアサイクルが正常に戻り、健康な髪が生え始める目安は4か月前後であること。

    すぐに髪が生える、というわけではないのです。

    二つ目は、発毛剤の使用をやめると再びAGAが進行するので、継続しなければいけないという点。

    AGA治療は根気勝負なのです。

    AGAの全容について、概要や原因、治療など網羅的に説明してきました。

    ざっと駆け足でポイントをまとめると…

    • AGAは頭頂部や前頭部に起こる薄毛の症状
    • 髪が薄くなるのはAGAによってヘアサイクルが乱れるから
    • AGAの主な原因は「遺伝」によるもの
    • AGAで推奨される治療法は「発毛剤」
    • 発毛剤は未成年の使用が不可
    • 発毛剤は、副作用についても理解しておく

    以上のことから、AGAの適切な治療を受けるためには、薄毛治療を行う医療機関を受診することが望ましいと言えます。

    そして、発毛剤の種類はさまざまで、副作用が出る可能性もあるため、正しく理解することが大切になります。

    この記事を読んだうえで、適切なAGA対策を行いましょう。