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ホホバという種子から抽出された成分で、美容品などに多く用いられている「ホホバオイル」。
この記事をご覧の方は、このホホバオイルに「育毛効果がある」という噂を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「肌に良い」と散々言われているため、今回のような「育毛効果」に関する噂がたってもおかしくはないのですが、果たして本当にそのような効果があるのでしょうか…。
この記事ではそんな疑問を解消しつつ、頭皮や髪に使えるのであれば「どのように使えばより効果的なのか」も検証していきたいと思います。

結論を先に申し上げると、あくまでも「ホホバオイル」は自然の物質であり、医薬部外品や医薬品ではないので、直接的な育毛効果は期待できません。
ですが、ホホバオイルには豊富な栄養が含まれていることや、保湿効果や殺菌作用があることからも、肌に良いことは立証済み。
また、ホホバオイルの成分は人の皮脂に近く馴染みやすいため、保湿剤として医療機関で使われている事実もあります。
以上のことから、頭皮や髪に関して少なからずメリットがあることは伺えます。
例え直接的な育毛効果がなくても、頭皮環境を整えることことで間接的に育毛をサポートしてくれる役割は期待できるのではないでしょうか。

「美容に良い」「育毛に良い」と言われ、さまざまなスキンケアアイテムに使われている「ホホバオイル」ですが、実は意外な事実がありました。
この項目では、そこから見えてくるホホバオイルの効果について、解説していきます。
ホホバオイルの意外な事実…
実は、ホホバオイルは、“オイル”と名付いているもののオイルではありません。
科学的に分類にすると、ロウソクなどと同じ「ろう類(ワックスエステル)」に入る、植物ワックスなのです。
「オイル」と「ワックスエステル」の違いは、簡単に説明すると分子構造の違い。
どちらも、脂肪酸とアルコール類の2つから出来ていることは同じなのですが、組成される分子の形が違うため、以下のように性質が異なります。
《オイル》
- 常温で液体のものを油、固体のものを脂という
- 不飽和脂肪酸による酸敗(さんぱい)での皮膚刺激が心配される
- オイルは消化できるので食用も可能なものが多くある
《ワックスエステル》
- 常温では軟らかく滑らかな固体で、溶けるのは100℃以上
- 長期間参加せずに保存可能。科学的に安定していることが特徴
- 天然のワックスエステルは動物性(魚など)がほとんどで、ホホバオイルと同様の成分を持つ優れた植物性ワックスエステルは他にはない
- ワックスエステルは体内で消化できないので食用にはならない
実は通常のオイルとホホバオイルにはこれだけの違いがあるのです。
少しイメージが変わりますよね…。
ホホバオイルに期待できる効果
「植物性ワックス」であるホホバオイルには、以下のような特徴があります。
- 皮脂成分とほぼ同じ分子構造である
- ビタミンEが豊富
- 紫外線に強い
- 天然成分100%
これらの特徴から、頭皮ケアに用いると以下のような効果が期待できます。
紫外線から肌を守る
ホホバオイルはワックスエステルなので、オイル焼けすることはなく、むしろ紫外線から肌を守ってくれます。
ホホバオイルのSPF値は「約5」。皮膚のバリア機能を回復させてくれる役割も持っているので、日焼けなどのスキンケアとしても使えます。
肌のバリア機能を安定に近づける
人間の肌成分に近い分子構造なので、皮脂成分として大切なセラミドを守ってくれる上、乾燥している肌を補修してくれる作用があると言われています。
したがって、乾燥することによって刺激に弱くなる肌のバリア機能を安定させる効果が期待できます。
乾燥や敏感肌のスキンケアに
先述したように、肌のバリア機能を回復させてくれることから、肌をフケやかゆみなどの乾燥トラブルから守ります。
天然成分なので、お肌の刺激になりにくく、敏感肌の方でも使いやすいのもポイント。
お肌に使う以外にも嬉しい効果が…
豊富に含まれるビタミンEによって高い抗酸化力を誇るホホバオイル。
ほかのオイルにこの「ホホバオイル」を混ぜることで、他のオイルの酸化予防に役立ちます。
※食用ではないので、食用オイルなどには使用できません。

ホホバオイルを実際に頭皮に使う場合、どのように使えば効果的なのでしょうか?
おすすめの活用方法を以下で説明していきます。
【頭皮クレンジング】
シャンプーをする前、乾いた頭皮にまんべんなくホホバオイルをつけたら、頭皮を揉むように優しくマッサージしてクレンジング。
塗布したホホバオイルぬるま湯で洗い流したら、いつも通りシャンプーを行います。
「ホホバオイル」使うことで、頭皮の汚れをしっかりと落とし、毛穴のつまりを解消できますよ。
また、ホホバオイルの保湿性や抗酸化力も手伝い、フケや乾燥によるかゆみの予防など、健やかな頭皮を保つサポートにもなります。
【保湿ケア】
2つ目の活用法は、シャンプーの後に行う保湿ケア。
この方法は、「頭皮を保湿する」ことが目的なので、乾燥肌の人におすすめの方法です。
手順は以下の通りです。
①シャンプー後、濡れた髪をしっかりタオルドライをして水分をとります。
水分がポタポタと落ちないぐらい、しっかりと水気をとっておきましょう。
②オイルを適量取り、マッサージするようにまんべんなく頭皮になじませます。
指の腹を使い、優しくなじませるのがポイントです。
③ドライヤーで根元からしっかり乾かします。
■脂性肌でどうしても頭皮がべたつく、頭皮の匂いが気になる…という方には、クレンジングがおすすめ。
■乾燥肌で、フケやかゆみなどのトラブルに悩まされている…という方は、保湿ケアがおすすめです。
簡単に行えるケアなので、今日から始めてみましょう!

さまざまなメリットがある「ホホバオイル」ですが、実際には直接的な育毛効果がないことが分りましたね。
しかし、この記事で紹介したような特徴や期待できる効果から、頭皮環境を良い状態に導ける頭皮ケアアイテムであることもお分りいただけたのではないでしょうか。
頭皮環境が良くなれば、間接的に育毛を手助けすることもできます。
天然成分100%で、肌の弱い方も使いやすいアイテムなので、気になった方は活用してみてください。
ただし、天然成分100%とはいえすべての方に合っているとは言えません。
品質が劣化していたり、不純物が入っていたり「ホホバオイル」そのものが肌に合わない場合もありますので、肌に異常を感じたときには、すぐに使用を控えてください。
ぜひ、ホホバオイルを毎日の頭皮ケアにお役立てくださいね。