目次

  1. 医療用ウィッグは医療費控除の対象になる?ならない?
  2. そもそも医療用ウィッグって?医療費控除とは?
  3. 医療用ウィッグは原則医療費控除に含まれない
  4. 例外もあり!医療費控除の対象となる場合も
  5. 医療用ウィッグの費用を抑える方法
  6. 医療用ウィッグは医療費控除の対象になる場合も…しっかり確認して購入しよう

抗がん剤による治療や病気で髪を失った方が使用する医療用ウィッグ

その値段は既製品で数万円〜、オーダーメイドでは数十万円に及ぶものもあります。

治療を行う中で必要になることも多いので、医療費控除の対象になるのであれば、高額な値段への心配も少なくなりますよね。

しかし、"医療用"とはいえウィッグ・かつらは医療費控除の対象になるのでしょうか?

今回は医療用ウィッグ・かつらと医療費控除の関係を調査しました。

医療用ウィッグの購入をお考えの方、医療用ウィッグを必要とする人が周りにいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

医療用ウィッグとは

まずは、医療用ウィッグがどのようなものなのか、確認しておきましょう。

医療用ウィッグは、一般的に誰にでも起こり得る生理現象的な薄毛ではなく、病気やその治療によって薄毛になった方のために作られています。

医療用ウィッグの特徴は大きく分けて2つ。

  • 敏感肌に優しい作り
  • 頭のサイズ変化に対応している

病気や治療によって髪が抜け落ちている場合、刺激に対して頭皮(肌)が敏感になっていることが考えられます。

医療用ウィッグは、こうした病気、治療中の人の敏感な頭皮のことを考えて、頭皮に優しい素材を使用したり、通気性を良くして蒸れを少なくするなどの工夫がなされています。

また、抗がん剤などで多くの髪の毛を失っている場合、髪が生えてくる過程で頭の大きさも少しずつ変化していきます。

医療用ウィッグはこうした頭のサイズ変化に応じて、ウィッグのサイズを調節できるようになっているものが多くあるのです。

2015年4月には医療用ウィッグJIS規格化制定が成立しました。

現在では、頭皮に触れるネット部、スキンベース部、インナーキャップ部などのパッチテストをはじめとした、多くの基準が定められています。

医療用ウィッグを選ぶ際は、このJIS規格の基準を満たしたものを選ぶと良いでしょう。

確定申告の医療費控除制度とは

続いては、医療費控除について。

医療費控除とは、1月1日〜12月31日の1年間に、本人もしくは配偶者や親族の医療費を払った場合、負担した金額の一部を還付金として返してくれる制度のこと。

具体的には、医療費控除額に、申請者の所得税率でかけたものが還付金として戻ってきます。

例を出してみると、以下の場合は還付金が1万円です。

  • ①医療費控除額を計算
    実際に支払った総医療費 - 保険などで補填された金額 - 10万円
  • ②還付金を計算
    **医療費控除額「10万円」×所得税率「10%」=還付金「1万円」

所得金額が195万円以下は「5%」、195万円〜330万円以上は「10%」と所得税率は所得金額によって異なることも覚えておきましょう。

医療費控除を受けたい場合には、確定申告領収書を元にした医療費控除の詳細書など、必要書類を揃えての申告が必要です。

より詳細に制度について知りたい方、また手続きについて具体的に知りたい方は、国税庁のサイトをご確認ください。

ここまでで、医療用ウィッグ、そして医療費控除制度について見てきました。

では、医療用ウィッグは医療費控除制度の対象となるのでしょうか?続いてその答えについて見ていきましょう。

医療用ウィッグは、基本的に医療費控除の対象にならないと考えられます。

そもそも、医療費控除を考える際に「医療費」と呼ばれるのは、医師による治療や治療に直接必要なものの購入費用のこと。

具体的には、以下のようなものが当てはまります。

  • 通院費
  • 入院に伴う部屋代や食事代
  • 義手や義足といった医療目的に作られている器具
  • 装具の購入費用

たとえば近視や遠視用の眼鏡等の購入費用や、自家用車での通院におけるガソリン代や駐車料金など、治療を受けるために、直接必要としないものの購入費用については、医療費控除に含まれないとされています。

したがって医師の指示なく、治療に直接関わらない容姿を整えるための医療用ウィッグは、控除対象外となるのが一般的となるのです。

ただし医療用ウィッグであっても、その購入理由が診療等に直接必要なものとして、医師等からの指示に基づいて購入した場合には、医療費控除に含まれるケースもあります。

医療用ウィッグを販売するWithが紹介している、医療用ウィッグが医療費控除の対象となった一例をご紹介しましょう。

脳の手術を受けた、ある患者さんが、頭蓋骨の一部を切り取り、手術後も一定期間は頭蓋骨が欠損している状況となりました。

薄い皮膚以外に頭部を保護するものがない状況では身体が危険なため、医師の要請により、鉄板付きの医療用かつらを作製し、申請したというものです。

医師の診断で、医療用かつらが治療に必要不可欠と判断されたケースです。

このような場合は、医療用かつらが治療器具として認められたことを意味します。

出典: 医療用かつらが医療控除を受けられる例 | 医療用かつら専門店

この場合は「危険だからウィッグ・かうらが必要」という医師の判断のもと、医療用ウィッグを購入しています。

また、医療用ウィッグの使用目的が、容姿を整えるためではなく、身体の危険から身を守るために必要不可欠だったため、医療費控除の対象になったと考えられます。

医療用ウィッグは、基本的には医療費控除の対象とはなりません。

前にご紹介した例は、例外だと考えていただいていいでしょう。

とはいえ、できるなら少しでも値段を抑えて購入したいという方も多いですよね。

そこでこちらでは、医療用ウィッグの購入費用を抑えられる方法を2つご紹介します。

自治体の補助金を利用する

都道府県や市などの自治体によっては、医療用ウィッグ・かつらの購入費用を一部助成しているところがあります。

例えば、秋田県はがん治療を受けており、前頭用のウィッグを年度内に購入した方で、他の自治体の助成を受けていない方であれば、医療用ウィッグを助成対象としています。

その他、山形県や岩手県北上市、東京都港区、神奈川県横浜市なども医療用ウィッグの助成を行なっています。

自治体ごとに助成費用の上限や、対象となる詳細な条件は異なりますが、ぜひ一度お住まいの自治体の制度を調べてみましょう。

あなたがお住まいの地域でも、医療用ウィッグが助成対象となっているかもしれません。

民間のがん保険サポートを利用する

民間のがん保険の中には、医療用ウィッグにかかる費用をサポートしてくれるプランもあります。

たとえばAIU保険の「メディカル総合保険」では、回復支援費用補償特約で医療用ウィッグの購入費用が補償されます。

また、アクサダイレクト生命では、女性特有のがんの場合には、一時金として最高200万円が給付されるため、この一時金を利用して医療用ウィッグの購入をすることも可能です。

確定申告において、医療用ウィッグは原則医療費控除の対象外となります。

しかし、例にご紹介したように医療費控除の対象となることも。

また、医療用ウィッグの購入をサポートする各地方自治体の制度保険会社の特約内容を利用することで、実際に購入する費用を抑えることも可能です。

医療用ウィッグの購入を検討している方は、まず自治体の制度や保険内容の確認を行ってみてください。

本記事が皆様のお役に立てば幸いです。