目次

  1. 【ハゲに朗報】毛髪再生治療はここまで進化している…!
  2. 毛髪再生治療の“今”<主に取り扱われる治療法まとめ>
  3. グロスファクター(グロースファクター)療法
  4. HARG®(ハーグ)療法
  5. 脂肪肝細胞療法
  6. 資生堂が行う新たな毛髪再生治療とは?
  7. 毛髪再生治療業界に続々登場する“新たな治療法”
  8. 未来は明るい!最新毛髪再生治療の実用化に期待

薄毛や脱毛に困って「毛髪再生治療」という言葉に行き着いたけど、実際はどのような治療法なんだろう…。と、疑問を抱いている方は沢山いらっしゃると思います。

もし、有効な治療法であるならば今後の薄毛治療に活用してみたい!とお考えの方のために、昨今の医療機関ではどのような毛髪再生治療が行われているのか、現在研究中の最新毛髪再生治療の詳細についての情報を調べてみました。

ぜひ、最後まで目を通して参考にしてみてください。

毛髪再生療とは頭皮と毛包に栄養を与え、正常で健康な毛周期をもたらすことを目的とした治療方法のことです。


現在、医療機関で取り扱われている主な毛髪再生治療法は以下の3種類

  • グロスファクター療法
  • HARG®療法
  • 脂肪幹細胞療法

毛髪再生治療に関して詳しい方でない限り、あまり耳にすることのない名称ですよね…。

でも、ご安心ください!
全く知識のない方でもわかりやすいように、これからこの3種類の毛髪再生治療法について詳しくご説明していきます。

どのような毛髪再生治療法なのか

成長因子が不足している頭皮
成長因子が不足している頭皮
成長因子のサイクルが元に戻ると成長シグナルが発信される
成長因子のサイクルが元に戻ると成長シグナルが発信される

グロスファクター療法とは、薄毛の大きな要因となっている“成長因子(※1)の不足”に着目した毛髪再生治療法のことです。


成長因子は、髪の毛が成長するために必要な信号を発する役割を持っています。

その成長因子が頭皮に不足することで、髪の毛を成長させるための信号が発信されなくなり、髪の毛が細くなり抜けやすくなってしまうんですよ…!


その髪の毛が成長するシグナルを正常に戻すべく、成長因子を配合した薬剤を注射し頭皮に成長因子を補うという目的をもった治療法なのです。

(※1)成長因子:動物の体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称。細胞と細胞の間の信号物質として働くことが分かっている。グロスファクター(グロースファクター)とも呼ばれる。

頭皮への作用

グロスファクターは、一定期間以上使用することで効果が見えてくる治療法です。

早い人だと、約3回以上で発毛効果を実感できるそう。(治療は1~2週間に1回)

グロスファクター治療法は単体でも行えますが、内服薬や外服薬を一緒に使用すると効果がアップするので、クリニックでは併用をおすすめしているんですよ!


ただし、グロスファクターの薬剤は種類がたくさんあります。

成長因子の数やベースになる薬剤が異なるため、一概に発毛効果があるともいい切れないのです。

治療を受ける際は、どの薬剤を使用している医療機関であるのか薬剤の評価を必ず事前にチェックするようにしましょう。

特徴:選べる施術法

グロスファクター療法は、医療機関ごとに施術方法も異なります。

主な施術法は以下の通り。

  • ダーマスタンプ
  • フラクショナルレーザー
  • エレクトロポレーション


■ダーマスタンプでの施術方法

・頭皮に麻酔をかける
・液状の薬剤を頭皮の気になる部分に塗る
・細かいステンレススチール製針がついた医療用スタンプ(ダーマスタンプ)を頭皮に押していく

この施術によって頭皮には無数の極小さな穴が開けられ、そこから毛根周辺まで薬剤を浸透させることができるのです。


■フラクショナルレーザーでの施術方法

・無数の極微細レーザーを頭皮に照射
・液状の薬剤を頭皮の薄毛が気になる部分に塗る

極微細レーザーによって表皮から真皮に極細の穴が開くことにより、より薬剤が浸透しやすくなっています。
施術後は少し赤くなりますが、ほとんどの人は翌日には治まるそう。


■エレクトロポーションでの施術方法

・クレンジングモードで頭皮を掃除
・ハンドピースを頭皮に優しく押し当て、有効成分を浸透させる
・頭部にラップをして時間を置き、薬剤の吸収を高める

特殊な電流で、毛髪再生に必要な有効成分を毛根まで届ける方法。
麻酔を使う必要がないので、大掛かりな施術が苦手な方でも気軽に試せますね!

どのような再生治療なのか

生体たんぱく質を冷凍乾燥させた「AAPE® powder」
生体たんぱく質を冷凍乾燥させた「AAPE® powder」

培養中の幹細胞の上澄み液から採取された生体タンパク質を、凍結乾燥させたAAPE® powderと呼ばれる、特殊な薬剤を用いた毛髪再生治療です。


こうして説明するといかにも難しそうな治療法ですが、施術時間はおおよそ20~30分とすごく短いのです!
ちょっとしたスキマ時間に通院できるのはうれしいですね。


現在、医療機関で最も多く取り扱われている毛髪再生治療ており、アレルギーや副作用などのリスクも極めて低いと言われています。

頭皮への作用

活力の弱まった細胞の炎症シグナルをサイトカインがキャッチ
活力の弱まった細胞の炎症シグナルをサイトカインがキャッチ
サイトカインが細胞に活動するよう働きかける
サイトカインが細胞に活動するよう働きかける
毛乳頭や毛包幹細胞が活性化すると毛包が正常な状態に戻る
毛乳頭や毛包幹細胞が活性化すると毛包が正常な状態に戻る

髪の毛を成長させる機能や活力が弱まった細胞は、炎症シグナルという信号を出します。

HARG®療法で用いるAAPE® powder製剤の生体タンパク質が持つサイトカイン(※2)が、その炎症シグナルに反応し、細胞の機能を回復させるための信号を発します

すると、髪の毛が成長するために必要な毛乳頭(※3)や毛包幹細胞(※4)などの機関が髪が生えていた頃の正常な状態に戻り、再び髪の毛が生えてくるのです!

ただし、この治療法を用いればすべての毛乳頭や毛包幹細胞が元通りになるわけではないので、ご注意ください。


(※2)サイトカイン:細胞間の情報伝達を行うタンパク質でできた物質。主な役割としては、好中球やマクロファージなどの自然免疫系の貪食細胞による貪食作用、キラーT細胞による細胞傷害性物質の放出による宿主細胞の破壊、B細胞が産生する抗体による病原体の不活化を行わせる。

(※3)毛乳頭:毛乳頭内にある毛乳頭細胞を使って、毛を成長させる栄養分を“毛母細胞”まで届ける役目を担っており、そのために必要な毛細血管が多く存在している。髪の毛をつくる毛母細胞や毛乳頭が活性化し続けていれば、毛髪は抜けても再度形成され育つ。

(※4)毛包幹細胞:毛穴の中、皮膚に隠れて見えないところにあるバルジと呼ばれる領域に存在する。毛髪の形を作る役割を果たす“角化細胞”の元となる細胞である。同じ領域には、隣接して毛の色をなす色素細胞も存在している。

特徴:成長抑制因子の働きを抑える

もともとHARG®療法は、先ほどご紹介したグロスファクター療法に分類されていました。

ですが、「毛髪を再生する」という目的は同じでも、そもそも用いている物質が異なることやグロスファクター療法に比べHARG®療法の方が保有する成長因子が多いことから、効果の違いが判明することに。

具体的な違いのひとつとしては、頭皮内の細胞や機関が活性化することで、髪の毛の成長因子が生まれると同時に成長抑制因子も生まれてしまうのですが、その抑制因子の働きを抑えることが出来るという点があります。

そうした大きな作用の違いから、新たな治療法として生まれ変わり、最先端の毛髪再生治療として運用されるようになったんですよ!

どのような再生治療なのか

自身の体から脂肪肝細胞を採取。培養して脱毛箇所に注入する方法。
自身の体から脂肪肝細胞を採取。培養して脱毛箇所に注入する方法。

患者自身の体から採取した脂肪由来の幹細胞(※5)を培養して、脱毛の気になる部分に注射する毛髪再生治療です。


HARG®療法でも説明したとおり、毛乳頭や毛包幹細胞がその活動を停止させてしまうことで髪の毛は段々と細く弱くなり、抜けてしまいます。

眠っていた機関や毛包幹細胞に、移植した脂肪幹細胞由来のさまざまな成長因子が作用することで、毛が生える周期や頭皮環境を正常に整えると考えられているんですよ。


(※5)幹細胞:「細胞を生む」役割を持つ細胞のこと。細胞分裂によって、目的に応じた細胞に変化する優れた能力を持ち、一つの幹細胞は細胞分裂で多くの細胞に分かれていき、身体の組織や器官を形作るさまざまな細胞へと変化を遂げる。

頭皮への作用

幹細胞が脂肪前駆細胞を活性化させる。
幹細胞が脂肪前駆細胞を活性化させる。
活性化した脂肪前駆細胞が毛乳頭や毛包幹細胞に働きかけて、毛髪の成長を促す。
活性化した脂肪前駆細胞が毛乳頭や毛包幹細胞に働きかけて、毛髪の成長を促す。

幹細胞を頭皮に注入することで、毛根の周囲に存在する“脂肪になる前の細胞(脂肪前駆細胞)”が活性化します。

すると、この細胞から作られるさまざまな成長因子が、休眠状態の毛乳頭や毛包幹細胞に活力を与えて休止期から成長期へとサイクルを移行させるのです。

スイッチの切り替わった細胞たちは、続々と発毛を促してくれるようになるそう!


また、他人からではなく自分の細胞由来の成長因子を使用する治療法なので、拒絶反応などが起こりにくくリスクが低いのも見逃せないポイントです。

特徴:幹細胞により頭皮の健康が保たれる

脂肪肝細胞を頭皮に注入することでさまざまな要素が揃い、頭皮は発毛や育毛に適した健康的な頭皮を保つことができるようになります。


先ほども少し紹介した“脂肪前駆細胞”が活性化することで生まれたさまざまな成長因子によって、

  • 血管の新生
  • 毛根周辺の炎症沈静化

など、の効果も期待できるんです!


血管が新しく生み出されることで毛根周辺の血流が改善し、髪の毛の成長に必要な栄養が運ばれやすくなるように。

また、毛根周辺におこる炎症も抜け毛の原因の1つとして考えられているのですが、幹細胞を注入することで抗炎症効果のある成長因子も生まれるので、トラブルのない健康的な頭皮を目指せるのです。

「資生堂」と耳にすると、どうしても化粧品や美容品のイメージがあると思いますが、グループ内で教育や飲食、小売にフロンティアサイエンスなど、人々の生活に密着した事業も幅広く展開しています

その事業の一環として生命科学の研究などにも力を入れており、毛髪再生治療の発展にも一役買っているのですよ。

具体的にどのような研究をしているのか、詳しく解説していきますね!

“生える遺伝子に変える”毛髪再生治療

毛球部毛根鞘細胞(DSCC)
毛球部毛根鞘細胞(DSCC)

資生堂が乗り出した毛髪再生治療の研究は、端的に説明すると頭皮組織から毛球部毛根鞘細胞(もうきゅうぶもうこんしょうさいぼう)(※6)を採取し100万個程度に培養、脱毛部位に移植・注入するというもの。


この施術では、脱毛を促進させる男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部から数mmの頭皮を切り取ります。

後頭部の細胞を用いることでその細胞の遺伝子が引き継がれ、移植を施した部位も男性ホルモンの影響を受けにくい細胞へと変わることが期待されているのです。


移植と聞くと「ものすごく大掛かりな手術になるのでは?」と思ってしまいますが、採取する頭皮はほんの少しなので、植毛などとは異なり体への負担は軽くなっています

さらに、自分自身の細胞を使った自家細胞移植なので、拒絶反応が起きる可能性も低いと言われている治療法なのです。


(※6)毛球部毛根鞘細胞:毛乳頭や毛母細胞のある“毛球部”の底部を、鞘(さや)のように覆っている細胞。dermal sheath cup(DSC)細胞とも呼ばれる。間葉系の細胞で、毛髪の成長に影響を与える毛乳頭細胞の前駆細胞である。

研究について

資生堂の毛髪再生治療の研究は、兵庫県に開設された資生堂細胞加工培養センターにて行われています。


毛球部毛根鞘細胞を用いた、この毛髪再生治療の先駆者であるカナダのバイオベンチャー企業『レプリセル社』と提携して開発を進めているのです。

この研究は、レプリセル社ではすでに治験が行われており、毛髪密度が5%以上増加した被験者は16名中10名、約63%の患者で改善が認められたという成果を上げているという報告も。


資生堂はそんな先進的な毛髪再生治療に目をつけ、さらなる技術の発展を目指すべく、東京医大とタッグを組んで臨床研究に挑んでいます。

最新毛髪再生治療が抱える問題点

ここまで見てきた限りだと、良いことばかりのように思えるこの毛髪再生治療なのですが、もちろん懸念されている点もあります。


体から採取した細胞を体外で培養することで遺伝子が変化し、がん細胞ができてしまう可能性があると言われているのです。

その他にも、細胞を培養するために用いられる添加物によってアレルギー反応が起こる可能性があるなどの問題点も挙げられています。


しかし、そもそも自身の細胞を培養することや、培地に使われるのが主に成長因子などのタンパク質であることから「可能性は低いのでは?」と推測している医師もいるようですが、その真相はまだ明らかになっていません。

今後の研究で、しっかりと安全性を確立させていただきたいですね。

資生堂が東京医大と取り組んでいる最新の毛髪再生治療について説明してきましたが、新たな毛髪再生治療の研究に乗り出しているのは資生堂だけではないのです!

一体、誰がどのような毛髪再生治療を生み出そうとしているのでしょうか…?

気になる薄毛治療の未来を、少しだけ覗き見してみましょう。

京セラが研究する“2つの細胞を用いた毛髪再生治療”

毛包原基が作られる様子。
毛包原基が作られる様子。

電子や通信、情報機器など、さまざまな分野で開発に携わりものづくりを行っている京セラも、毛髪再生治療の発展に携わっている企業のひとつ。


京セラが理化学研究所やオーガンテクノロジーズと共同研究している技術は、毛乳頭細胞(※7)と上皮性幹細胞(※8)を取り出して培養し、高密度に区画化したうえで再構築させて毛包の基礎となる細胞の集合体“毛包原基(※9)”をつくるもの。

これを、脱毛箇所に移植し毛包そのものを再生させる方法なのです。


この研究では、マウス実験により3週間で「1平方cmあたり124本」の発毛に成功

人の頭髪密度は平均1平方cmあたり150本~300本なので、実用化された際にはかなりの発毛効果を望めるのでは…と期待されています。

京セラは、この技術は「2020年の実用化を目指している」と発表しています。


(※7)毛乳頭細胞:毛乳頭の中にある細胞で、毛髪の形成を促すのにとても重要な“毛母細胞”に髪を成長させるように指示を出す役割を持っている。

(※8)上皮性幹細胞:細胞分裂によって毛母細胞を形成する“毛包幹細胞”や髪の毛の色素に影響する“色素幹細胞”を保有している。毛穴の中にあるバルジと呼ばれる領域に存在している。

(※9)毛包原基:毛髪を生み出す器官“毛包”を形成する細胞群のこと。

話題の“ips細胞”でも毛髪再生が可能に…?!

あらゆる細胞や組織を成長させると言われているips細胞を用いた毛髪再生治療もさまざまな機関で研究されています。

現在、杏林大学医学部皮膚科学教室教授である大山学氏が率いていた慶応義塾大学の研究チームなどでは、すでにマウス実験も発毛に成功しているのだとか。


ただし、他人の細胞を使用する他家(たか)移植細胞や体外培養であることから、やはり細胞変異のリスクが懸念されており、課題が多いのも事実。

ヒトへの臨床研究なども行われていないことから、実用化はまだまだ先になりそうです。


しかし、こうしたiPS細胞をつかった毛髪の再生は、毛包の構造が完全に失われる瘢痕性(はんこんせい)脱毛症(※10)の方たちや毛根が傷害をうける円形脱毛症の治療にも役立つ可能性があります。

長い時間を要するかもしれませんが、少しでも早く安全性が確立されて実用化されるといいですね。


(※10)瘢痕性脱毛症:ケガや火傷の跡、女性の場合しわやたるみをとるフェイスリフトなどの手術痕で皮膚組織が破壊され、髪の毛が永久的に生えてこなくなる脱毛症のこと。

ここまで、主な毛髪再生治療の紹介や現在研究されている最新の薄毛治療法について説明してきました。

毛髪再生治療が何を用いてどのような施術を行うのか、その特徴や詳細について知ることができたのではないでしょうか?

また、毛髪再生治療の業界が日々進化し続けていることもわかりましたよね。


現在研究されている新たな治療法は、薄毛や脱毛症で悩む人にとってはまさに夢のような効果を得られそうな優れた研究ばかり。

しかし、現段階では施術に伴うリスクを避けきれないことや、実用されたとしても相当な費用がかかる面など懸念点があることも事実です。


いち早く毛髪再生治療の研究が進み、問題点が解決され一日でも早く実用化さることを願いたいですね。