目次

  1. 瘢痕性脱毛症について知りたい方々へ
  2. 瘢痕性脱毛症とは?
  3. 瘢痕性脱毛症の原因は?
  4. それぞれの瘢痕性脱毛症への対策
  5. 一日でも早く皮膚科で診察を
瘢痕性脱毛症の概要とは?
瘢痕性脱毛症の概要とは?

人々を悩ませる抜け毛、脱毛症。

最近では男性型脱毛症(AGA)などを中心に、その知識がだんだんと知られてきました。

しかし脱毛症には多くの種類があり、知名度やその深刻さはさまざまです。

あまり知られていない脱毛症、そしてなるべく早く皮膚科など専門医の診察を受けるべき脱毛症のひとつに、「瘢痕性脱毛症」(はんこんせいだつもうしょう)と呼ばれるものがあります。

男性型脱毛症や円形脱毛症とはどんな違いがあるのでしょうか?また対策はあるのでしょうか?

この記事では、その瘢痕性脱毛症の概要や原因、対策をご説明していきます。

少しでも早く治療を開始することが大切な疾患のひとつですので、ぜひチェックしていただければと思います。

瘢痕性脱毛症とは、なんらかの原因で毛包が破壊されたり、消失してしまったために起こる脱毛症です。

毛包がなくなってしまうと、その部分からはもう髪が生えてくることはありません。

つまり一度瘢痕性脱毛症を発症(=毛包が消失)すると、その部分は元に戻らない「不可逆性」があることがこの瘢痕性脱毛症の特徴です。

たとえば円形脱毛症や男性型脱毛症であれば、毛包自体は残っているため髪が二度と生えない、とは必ずしもなりません。

一方、瘢痕性脱毛症の場合、髪の毛が生まれ、育つ毛包自体がなくなっていることから、その部分にはもう髪の毛が生えてこないのです。

ただし毛包が破壊されたり、消失しているかは一般の方が皮膚の上から見ても判断できません。

また瘢痕性脱毛症の原因は数多くあり、専門家でなくては診断は不可能です。

中には毛包に強い炎症が起き、それが進行して瘢痕性脱毛症に至る場合があります。

そのケースでは皮膚が赤くなったりすることがありますが、アレルギーなどの他の炎症と一般の方が見分けるのは困難です。

瘢痕性脱毛症は一にも二にも早く治療を開始することが重要ですから、「もしかして…」と思ったら躊躇せず、皮膚科を受診するようにしてください。

瘢痕性脱毛症は大きく2つのタイプに分かれます
瘢痕性脱毛症は大きく2つのタイプに分かれます

一度発症すると、その部分に毛が生えなくなるという瘢痕性脱毛症。

その原因はなんなのでしょうか?

瘢痕性脱毛症は大きく分けて2つのタイプに分かれており、それぞれ原因が異なります。

  • 続発性瘢痕性脱毛症

  • 原発性瘢痕性脱毛症

この2つの原因について、それぞれご説明していきたいと思います。

続発性瘢痕性脱毛症の場合

続発性瘢痕性脱毛症は、熱傷(やけど)や外傷、感染症などにより毛包が破壊されることが原因で起こります。

先天的なものではなく、後天的な原因で毛包が消失してしまうのです。

正確には患部を採取して医師が検査をしないと確定できないものの、先に挙げたやけどや感染症などの原因がある場合、この続発性に分類されます。

毛包が消失しているか否かは医師でないと判断できないので、早めに皮膚科を受診しましょう。

ちなみに日本ではこの続発性の方が症例としては多く、続いてご説明する原発性については報告例が少ないとされています。

原発性瘢痕性脱毛症の場合

原発性瘢痕性脱毛症は、いまだ原因がわかっていない脱毛症です。

リンパ球など原因と思われるものはあるのですが、まだ解明が進んでいません。

瘢痕性脱毛症の診断においては、やけどや感染症などの原因があれば続発性、それらがなければ原発性を疑うという流れになります。

瘢痕性脱毛症にはどんな対策(治療法)があるのでしょうか?
瘢痕性脱毛症にはどんな対策(治療法)があるのでしょうか?

続発性瘢痕性脱毛症の場合

続発性瘢痕性脱毛症の場合、まず原因となっている疾患の治療が対策の第一歩です。

やけどであればやけどの、感染症であれば感染症の治療など、それぞれの原因に合わせた治療が行われます。

多くは薬による治療が中心で、たとえば抗生物質や、ステロイド剤などが使われることが多くなっています。

また瘢痕性脱毛症は毛包自体が消失しているため、そのままでは毛が生えてきません。
脱毛部分が広い範囲に及んでいる場合、毛包を移植する植毛手術も選択肢のひとつ

患部が狭い範囲の場合は、手術で瘢痕部分を縫い合わせて目立たなくしたりといった治療が行われます。

いずれにせよ、瘢痕性脱毛症の原因となっている感染症などを治療しない限り、仮に植毛などをしても脱毛がまた起こってしまうことが考えられるでしょう。

まずは原因となっている疾患に対処する、それが治療のスタートです。

原発性瘢痕性脱毛症の場合

原発性の場合は原因が詳しくわかっていないため、対策は簡単ではありません。

しかし、なんらかの原因で炎症を起こしていることが多く、ステロイド系の塗り薬、また同じくステロイド系のトリアムシノロンアセトニドの注射などが対策として挙げられます。

毛包がなくなってしまっているため、AGA、円形脱毛症でよくあげられるミノキシジルは瘢痕性脱毛症には効果がありません

しかし残っている髪の毛の量を改善できる可能性があるため、治療の一環として用いられることがあります。

ここまで、瘢痕性脱毛症の原因や対策についてお伝えしてきました。

瘢痕性脱毛症は、「不可逆性」という特徴があり、とにかく早い診断、治療が求められる脱毛症のひとつです。

治療も長期に渡ることがあり、患者の方からすると辛い疾患のひとつでもあります。

ただ続発性にしろ原発性にしろ、以前よりは徐々に病気の解明が進み、治療も海外の例を参考にしながら進歩しているようです。

諦めたり不安になりすぎることなく、まずは診察を受けてみることをおすすめします。